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2014年私的ベストアルバムを紹介しようの回?|UNISON SQUARE GARDEN『Catcher In The Spy』

バタバタしてるうちに年は明けてしまってもう1月終盤ですが、中途半端な形で放置されてしまってる「2014年リリースの好きなアルバム」について、書いていこうと思います。

予定としては
 ・10枚アルバムを選び、うち3枚についてレビューを書く
 ・セレクトした10枚を軽く紹介
 ・「2014年私的ベストトラック」として2014年リリースの好きな曲5つを軽く紹介(10枚のアルバムに収録されているもの以外からセレクト)
という感じにします、今決めました。(笑)

「2014年私的ベストアルバム」、既に紹介済みの1枚目=go!go!vanillas『Magic Number』に引き続き、今回はUNISON SQUARE GARDEN『Catcher In The Spy』について、です。


Catcher In The Spy(初回限定盤2CD)Catcher In The Spy(初回限定盤2CD)
(2014/08/27)
UNISON SQUARE GARDEN

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そう、〈事件ならとっくに起きてる〉。

3分弱で駆け抜ける「サイレンインザスパイ」から始まれば、曲間0秒で「シューゲイザースピーカー」になだれ込み、さらにスティックカウントから「桜のあと(all quartets lead to the?)」へーーUNISON SQUARE GARDENの5thアルバム『Catcher In The Spy』。冒頭 3曲、ボーっとしてたら振り落とされそうなほどのスピード感には驚いたけど、何か、全く知らないユニゾンではない。そう感じたのは、このアルバムがユニゾンの〈ライヴ感〉をパッケージしたものだからだろう。愛の塊であって怒りの塊であるような、いや、愛があってこその怒りの大爆発のようなエネルギーの込められ方。1人1人好き勝手やっている3人のサウンドが、ガッチリ噛み合ったときの痛快さ。それがライヴで、MC もそこそこに曲を連投していく3人の姿と重なる。 一瞬たりとも逃したくないからステージにかじりつくのと同じように、一音たりとも逃したくないから、音量をどんどん上げたくなってしまうんだ。

リリースのたびに音源はチェックしていたし、4thアルバム『CIDER ROAD』は何度聴いても名盤だと思うけど、正直、 UNISON SQUARE GARDENにロックバンドとしての魅力を感じる機会は多くなかった。対音楽シーン、対 J-POP の新たな価値観を強く提示する彼らの音楽は、見えない敵へ向かって放つ魔法みたいで。あくまでも、よくできたプレゼンに対して「お見事!」と拍手したくなるような感じ。感動よりも感心が先に来てしまうから、胸がアツくなるようなリアリティは感じづらかったのが本音だ。

大義名分の防波堤を壊しながら、濁流のように渦巻くサウンド。意図を張り巡らすのではなくて、意志が滲め出ている音楽。シーンの革新を狙うのではなく、バンドの核心を鳴らす音楽。シンセ、ブラス、ピアノの音を取り入れながら、作詞作曲を担当する田淵智也(Ba)の脳内で鳴っている音を具現化するように作られていった『CIDER ROAD』のサウンド(参照: NEXUS アーティストインタヴュー)。その楽曲たちは確かにかつてなく彩り豊かだったけど、今回のサウンドの方がよっぽど自由じゃないか、と思ったのは私だけではないはず。過去4枚のフルアルバムで〈ユニゾンにしかないポップ/ロック感〉という地力をつけ、レベルの高いパフォーマンスを通してライヴという場での評判を高めてきた彼ら。音源面/ライヴ面、ともに研ぎ澄まされてきたタイミングの今だからこその5thアルバム。〈3ピースバンドの美学〉には収まらない奔放さを平然と放つ、たった3人。脳内ユートピアを華麗に裏切るその化学反応に、大いに痺れた。

#favorite track
7〜8曲目「流れ星を撃ち落せ」〜「何かが変わりそう」の流れ、12曲目「黄昏インザスパイ」



★3曲目「桜のあと(all quartets lead to the?)」



★9曲目「harmonized finale」



★10曲目「天国と地獄」



追伸:ライヴライヴ言いまくっておりますが、音源特有の魔法も失ってないのがこのアルバムのすごさのひとつ、かと。実際私自身〈曲順通りにしか聴けない魔法〉にかかりまして、ライヴ行ったときに演奏順がアルバム収録順と異なっていて少し凹んだ場面が何回かありました。(笑)