ライヴレポート│2015.3.15 スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2015@赤坂BLITZ

スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2015、ツアーファイナルの赤坂BLITZ公演に行ってきました!
出演は、THE ORAL CIGARETTES/04 Limited Sazabys/Brian the Sun/HAPPY の4組!
書きたいことがいろいろとあって、初めて「まえがき」「あとがき」なるものを付けてみて、私情込み込み文字量多めで参りますので、ぜひお時間のあるときに(笑)読んでください。

というか、このブログでライヴレポ全然書いてないですね。(反省)
これを機に更新増やしていけたらと思います。

■まえがき 列伝と私
 
 
スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR』。思えば私は3年連続赤坂BLITZに足を運び、このツアーファイナルを見届けています。1年目は2013年(グッドモーニングアメリカ/WHITE ASH/tricot/indigo la End)。フロアのど真ん中のステージがよく見える位置を陣取って観た4バンドのライヴに無性に胸が熱くなり、バンドマンでもないのになぜか「負けたくない」と思ってしまって。ライターという仕事に片足どころか髪の毛1本すらも突っ込んでいない普通の大学生だったくせに、終演後に関係者席を見上げて「来年はそっちだな」と呟いたのを憶えています。口に出せば叶うもんだと信じていたから。何の根拠もないけど、行けるし、行かなきゃいけない気がしたから。
 
2年目は2014年(KANA-BOONキュウソネコカミ/SHISHAMO/go!go!vanillas)。まさかの有言実行を果たし、この年はRO69の即日レポートのライターとして会場に行きました。この日の1ヶ月前(2月4日『スペースシャワー列伝第96巻「希彩(きさい)の宴」』@渋谷WWW)にライヴを観たばかりのバニラズの音がそのときともう全然違って、その凄まじい成長のなかに、〈同世代の仲間同士で切磋琢磨すること、そうしながら全国を廻ることがそれぞれのバンドにとって如何に大切で、刺激的なのか〉を教えてもらいました。
 
そして今年が3年目の2015年。出演バンドは、THE ORAL CIGARETTES/04 Limited Sazabys/Brian the Sun/HAPPY。私はありがたいことに2年連続RO69の即日レポートライターを務めることができたのです。
 
そんなこんなで私一個人にとってもすごく大切であり、毎年良い刺激を貰っている『スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR』。ということで、既に公開されているこちら(←セットリスト等はこちらに載っています)でライヴレポートを担当しているのですが、もっと(←質的な意味ではなく量的な意味で)書きたいし書けるなあと思ったので、この個人ブログという場で書いていこうと思います。
 
まえがきの段階でなかなかの文字量なので恐縮ですが、最後まで読んでいただけるととても嬉しいです。
 
 
 
 
 
■あいまいネイビー
 
 
最初にステージに登場したのははあいまいネイビー。スペシャ主催オーディション「DayDreamBeliever」のグランプリを獲得し、このステージのオープニングアクトを務める権利を手に入れたバンドだが、かなこ(Ba/Vo)が「打ち上げで22歳の誕生日を祝ってもらった」という内容のツイートをしていたから他のメンバーもそのくらいの歳なのだろうか。音源で聴いた印象だとかわいらしいポップをやる3ピース・ガールズバンドという印象だったし、見た目もふわふわのかわいらしい女の子たちなんだけど、生だともっと音がガッチリ固まっていて。その上この緊張するであろうステージの上で、3人とも笑顔で楽しんでいる、この場所・時間を謳歌している姿が頼もしかった。女子って強い。
 
▼夜中の行進/あいまいネイビー

 
 
■HAPPY
 
 
過去の列伝ツアーを振り返るオープニング映像が終わって、本編トップバッター・HAPPYの登場。Bob(Dr・Vo)以外の4人=Alec(Gt/Vo)/Ric(Syn/Vo)/Chew(Gt/Syn)/Syu(Ba/Syn)がフロントに横一列にズラッと並び、うち3人の前にはシンセサイザー、という配置だけで今年の4バンドのなかでは珍しい構成をしているバンドだということが分かる。ピカピカ光るプリズムライトを手にしてスキップしているみたいに軽い足取りで現れた5人はまず「Cation」を演奏し、「みなさん元気ですか? 今日は楽しんで帰ってください。よろしく! ゴキゲンにやっていきますよ〜」(Alec)と「Lucy」へ繋げる。音源を聴いたときに抱いていた音楽がどこまでも奥へ奥へと広がっていく印象も健在だけど、思ったより音一つひとつ圧力が高いサウンド。身体が包まれるような感覚を与えてくれる音もあれば、聴き手の胸に直接飛び込んでくる音もあるような、全方位型のサウンドには未知の可能性が溢れる。聴いているだけでワクワクするってこういうことだ。メンバーが足元のエフェクターをいじりながら作っていったサウンド&分厚いコーラスでBLITZを塗りつぶした「Wake Up」、疾走感バツグンどころか限りなく爆走にちかいスリルがある「Molly’s Lips」(Alecはハンドマイクを持ってフロアに下りていった)、ミディアムバラードかと思いきや曲が進行していくごとに音の熱量・奥行き・BPMがジワジワと増していく新曲「To The Next」――と曲調もそれぞれ異なるものだったためか、あっという間に時間が過ぎていってしまったように感じた。MCやメンバー紹介のときにも感じたけど、語り口がめっちゃフランク(笑)。そのラフな空気感は演奏時でも変わらずで(それでもやっぱりみんな演奏は巧いんだけどね。恐ろしい)。〈音楽〉の文字通り自らが音を楽しんでみせて、そこに遊びに来たお客さんにテンションが伝播する、ぐらいの空気感。プラス、彼らの音楽に対するピュアな探究心と昂揚感、ゆえの〈ここからどう変わっていくか分からない〉感。そういうふうに、聴き手の肩をほぐす近さとサウンド自体のスケールのデカさが同居している、〈ミニマム〉と〈マキシマム〉が同居しているサマが最高にポップだし、だから世代・性別・ジャンルを問わずファンがいるんだろうなあ。こういうバンドがコアな音楽ファンに独り占めされるようなシーンはやっぱりもったいない。
 
▼R.A.D.I.O./HAPPY


■Brian the Sun

 
 
続くBrian the SunはSEなしで登場して「大阪から来ましたBrian the Sunです、よろしくお願いします」と森良太(Vo/Gt)が挨拶。そうか、今年の4バンドはフォーリミ以外みんな関西バンドなのか。はちみつやらキャラメルパンケーキやらをモチーフにするような、ちょっと捻ったセンスやギミックから察せられるように〈捻くれてるけど実は熱い心の持ち主〉だったこのバンドも、セルフタイトルの2ndアルバム『Brian the Sun』のリリース、昨年11月〜今年1月にかけて行われたレコ発ツアー(『“Brian the 燦々”Tour 2014-2015』)などを経てそのバランスが逆転、〈とことん真っ直ぐだけどやっぱりちょっと捻くれてる〉バンドに変わったのだろう。1曲目「Sister」の切れ味鋭く潔いキメ、漢(おとこ)らしいサウンドからそれが伝わってくる。「赤坂声出せますか!」「行けますか!」と森と小川真司(Gt/Cho)が交互に声を出して「We are Brian The Sun」「列伝ファイナル」「列伝最高」のコール&レスポンスを先導、そして「パワーポップ」「早鐘」でしっかり盛り上げた前半戦を経て、「またいつか会ったときにHAPPY、フォーリミ、オーラルに『お前ら何やってんねん』って言われないように、大事なことを忘れそうなときに聴く曲を……」という森の言葉に続いた「神曲」からじっくり聴かせるパートへ。特に、「最後の瞬間っていうのは自分が思ったより早く来ると思います。今日が終わったらこのツアーも終わり。このメンバーでの〈次〉はありません。しっかりこの4バンドの音を聴いて感じて帰ってほしいです。生きている間に自分以外の人間に伝えられることなんてタカが知れてるから。大事なことは生きているうちに伝えてください」という森の言葉からの「白い部屋」冒頭のシャウトは、とても強く美しかった。「僕は、誰かの期待に必死に応えようとして道を見失うことがよくあります。そこには別に何もないのに。世の中は気に入らないことばかりだとただただ怒っていたこともありました。俺ができるのは別にそんなことじゃないのに。……一人ひとりに何かを残したくて唄ってるだけなんですよ」。真摯に語る森のMCのあと、鮮やかに音溢れる「ロックンロールポップギャング」で終了。シンプルな4ピースサウンドは、積極的にいろいろな音を取り入れていくタイプのHAPPYのサウンドとは対極のものだが、こうやって別ベクトルの、しかしどちらも果てしなく大きいエネルギーを放つバンドを立て続けに観られるのも列伝ツアーの魅力である。
 
神曲/Brian the Sun
 

■04 Limited Sazabys

 
 
SEに合わせてフロアからはクラップが自然発生、それに迎えられる形でステージへと走って登場したのは04 Limited Sazabys。「まだまだ元気余ってますかー!?」というGEN(Ba/Vo)の元気の良い挨拶のあとの1曲目は「monolith」。約3ヶ月前に観たときよりもタイトになった印象のあるサウンド。4人がせーので鳴らしたその一発目の音から、ビリビリとした勝負感が漲っている。始まって早々〈きっと間違えられないな/列伝ツアーファイナルこのBLITZのステージを〉というGEN(Ba/Vo)による歌詞替え。クラウドサーフが多発するフロア。RYU-TA(G/Cho)の声に合わせて「オイ!オイ!」と力強く上がるたくさんの拳。熱を冷ます隙すら与えないように、曲間なしでバンバン次の曲へと進むスピード感。「HAPPY」「ブライアン」「オーラル」「フォーリミ」「列伝最高」と、この日ならではのコール&レスポンス――もうライヴ運びがめちゃくちゃ上手い。これはみんな好きになっちゃうのも分かる。ハンバーグとエビフライを一緒に乗せた洋食プレートみたいに、川本家伝説の〈甘やかしうどん〉(分かる人にしか分からない喩えでごめんなさい・笑)みたいに、ギターロックとメロディック・パンクのおいしいところを同時乗せしたフォーリミのサウンド。4曲目「Chicken race」が終わるころには2階席にムワッと熱気が上がってきた。修学旅行みたいに廻ったというこの列伝ツアーを振り返りながら他3バンドに出会えたことの喜びを語り、「夢の途中にいる仲間たちそれぞれの門出を祝うべく新曲を」(GEN)という言葉のあとに演奏した新曲「Terminal」は、来る別れに寄り添いながらも、再出発という名の未来を唄った曲だった。そして「真空パックでこのいい時間を名古屋に持って帰りたいと思います。幸せな時間が永遠(とわ)に続きますように」「生涯忘れられない旅になりました。俺ら以外の3バンドの未来に光が射しますように。言葉に強い力がありますように」という願いを込めながら鳴らした「hello」「swim」でフィニッシュ。列伝ツアーの終了、目前に迫ったメジャーデビュー、季節の変わり目――別れ、そして旅立ちの春。彼らの陽性なエネルギーは自身を奮い立たせるだけではなく、会場を満たすオーディエンスをひとり残らずグイグイと引っ張ってくれるような強さがあった。
 
 ▼swim/04 Limited Sazabys

 


■THE ORAL CIGARETTES

 
「ただいまより!THE ORAL CIGARETTESの!『列伝ツアーファイナルアクトはオーラルがきっちり務めますin東京公演の巻』を始めます!」――そんな堂々たる宣言のあとに登場したのは、今年のトリ・THE ORAL CIGARETTESだ。「さあファイナル始めようぜ。俺らが初めて列伝ツアーを観に行ったのは2012年……」と1年ずつ遡り、出演バンドの名前を1組ずつ読み上げる山中拓也(Vo/Gt)。「そして今日、2015年。HAPPY 、Brian the Sun 、04 Limited Sazabys、THE ORAL CIGARETTES! この列伝の歴史を塗り替えに来たからかかってこいお前ら!」。そして始まったのは「mist...」だ。ところどころ〈列伝〉に歌詞を替えながら大きな歓声を受ける4人。山中/鈴木重伸(Gt)/あきらかにあきら(Ba)は何度も前方へと走り込み、フロアをグイッと覗きこむような形でオーディエンスの表情を見ている。同世代が切磋琢磨しあうこの列伝ツアー、野心で以て闘争心を燃料に替える彼らにとっての絶好のフィールドのようだ。音の一つひとつに気合いと気概が迸る。MCにて他3バンド・スタッフ・オーディエンスに感謝を述べたあと、山中の弾き語りからスタートしたのは、バラード“エイミー”。メンバーが一際穏やかな表情で音を紡ぐなか、フロアから上がる無数の腕、その手のひら一つひとつに投げかけられる「いつまでも見守っていてほしいしあなた方のことを大切に思っています。その両手、俺らがしっかり掴むんで離さないでください」という言葉、音の波のなかで「ありがとう!お前も!お前も!」と指さしながら何度も口を動かす山中の姿――それは紛れもなく、大切な人を大事にしたいというバンド・オーディエンスの想いが創ったひとつのハイライトだった。来月にシングルとしてリリースされるこの曲、きっとこれからもっと、人と共に育っていくのだろう。この「エイミー」然り、「俺らをここまで連れてきてくれた最大のアンセム」と言っていた「起死回生STORY」然り、オーラルは曲がバンドを更なるステージへと連れて行ってくれるタイプのバンドだと思うし、そういう曲を確信的に生み出し続けられるような、〈次へ進むこと〉に人一倍自覚的なバンドだと思う。そして「あなたたちの番!」とフロアへ向けたマイクへ大音量の歌声が集まった「大魔王参上」、のちの「起死回生STORY」で終了。MCでは「緊張するぜ〜こんな歴史あるツアーのファイナルでトリなんて〜」と笑っていたけど、歌がバンドをグイグイ引っ張っていくような、また、バンドがオーディエンスをグイグイ引っ張っていくようなパフォーマンスにまた一段と逞しく、華々しくなっていく4人の姿を見た。ワンマンでの渋谷CLUB QUATTROTSUTAYA O-EAST、そしてこの日の赤坂BLITZと、一段ずつキャパを広げていき、また、その度に会場規模を上回るスケールのサウンドを鳴らしてきたオーラル。だからこそ、飛び級的に突き進んだ夏のワンマン会場=Zepp DiverCityではどんなライヴで魅せてくれるのか。今からとても気になる。4人が完全にステージから去る前にアンコールを求める手拍子が起きている光景が、ちょっぴり可笑しいけど何だか愛おしい。

▼エイミー/THE ORAL CIGARETTES

 
アンコールではまずオーラルの4人が登場して「N.I.R.A」を演奏。そしてHAPPY、ブライアン、フォーリミも加わって毎年恒例のアンコールセッションではTHE BLUE HEARTSの「終わらない歌」を演奏。打楽器を持ってきて鳴らす人もいれば、ひたすら踊り狂う人もいて、さらに鹿まで登場する(!?)というしっちゃかめっちゃかな騒ぎのなか、「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR2015」は幕を閉じたのだった。
 
 
 
■あとがき 列伝と僕ら
 
 
新世代というより、同世代。同世代というより、うちらの世代。
 
一つ目は、この歳でしか感じない・この歳だからこそ感じられたことを残したかったから。
二つ目は、あの日のステージ上・フロア内の出来事を、どうしても他人事なんかにできなかったから。
そんなふたつの理由の下、ここに文章を残そうと決めました。
 
同世代の4バンドがしのぎを削りあう列伝ツアーは、これからキャリアを重ねていく出演者それぞれにとってかけがえのない日々になるのだろうけど、客側だって同じように心を燃やしています。ステージに立つ4バンドと同世代、または下の年齢の若者たちが、〈次世代を担う新しいバンド〉ではなく〈これがうちらの世代だと誇りたくなるようなヒーロー〉をガチで探しにきているような、そんな本気度を毎年オーディエンスから感じるし、〈喜怒哀楽〉の一つひとつにいちいち胸を焦がすアツい空気が絶えずフロアを満たしている――きっと刺激を受けているのは出演者だけではない、スタッフだけでもない、私だけでもない。オーディエンスも含めた会場にいるみんながそういうテンションだから、毎年いくつもの名場面が誕生し、性懲りもなく歴史は塗り替えられるのです。
 
今年もやっぱり「負けてらんねぇ」と歯を食いしばりながら乗り込んだ千代田線の緑色の車両。目線は常に未来へ、前を向いてやまない4バンドから受けた煮えたぎる感情を、今この場所にありったけ詰め込んで。