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蜂須賀ちなみの日記帳

徒然アラカルト

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この1週間は少しバタついていて、だからこそいろいろなことを考えた。隙間時間にメモッていたことをざっくばらんに並べてみる。結論は特にない。

 

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米津玄師がリリースしたニューシングルのレビューと、幕張メッセワンマンのライブレポートを書いた。

そういえばこれまでは「玄米師匠」と打ってから要らない文字を削除していたのに、いつの間にか一発で変換されるようになっている。PCでもスマホでも。

原稿の中で「時代の寵児」という言葉を使った。そのような人物が同世代に現れてしまったからには、例え先輩ライターがどれだけ素晴らしい記事を書こうとも、同じ時代に生まれた者として、ちゃんと自分の手で書かなければならないと思っている。

私はまだまだ無名で、メディアの名前に下駄を履かせてもらっている感じは否めないんだけども。ライターとして、土俵に立つ権利を得られていてよかった。2018年に間に合うことができてよかったと思っている。

 

 

秋ドラマが始まって1ヶ月ちかく経った。

現時点でのイチオシは「ハラスメントゲーム」。「獣になれない私たち」「大恋愛~僕を忘れる君と」も毎週観ている。「中学聖日記」「忘却のサチコ」「僕とシッポと神楽坂」もタイミングが合う時は観る。

どうして「昭和元禄落語心中」を観ることにしなかったんだろう、とものすごく後悔している。NHKのドラマって後追いできるオンデマンドとかあるのかな。

 

 

平日夜に2回インタビューをした。どちらも若手バンドで、曲を聴いて何となく気になっていた人たちだった。

うち1組はCRAZY VODKA TONIC

彼らに関しては以前「ROCKIN'ON JAPAN」のNEW COMER特集でバンドの紹介文のようなものを書いたことがあった。彼らの地元のライブハウスでは、その記事が入り口すぐのところにドーンと貼り出されているらしい。また当時はCVTがJAPANに初登場だぞと、福山のある書店でその号が売り切れてしまったそうだ。

地元の人に愛されながら育まれた4人は、やわらかな空気をまとった、穏やかな人たちだった。私は福山に行ったことないけど、きっと長閑でいいところなんだろうなあと思えるほどに。あと今さらだけど、「ROCKIN'ON JAPAN」ってやっぱりすごい。ウェブがどれだけ栄えたって、全国誌が持つ「本屋に並ぶ」からこその良さは無視できないよなあと。

今回の件で一番に思ったのは、自分の文章は人を生かすことも殺すこともできてしまうんだよなあということで。

原稿を書く作業は孤独だけど、その向こう側には取材対象、そのアーティストのスタッフ、ファン、家族、応援している地元の人、それ以外にもたくさんの人たちがいるわけで。その人たちの顔色を窺う必要もないし媚びる必要もないんだけど、向こう側に人がいるっていうことを忘れずに、しっかり熱量を注ぎ込まないといけないよなあと背筋が伸びたのでした。別に今までも流したりなんてしていないんだけど、改めて噛み締めたというか。原点回帰です。

 

 

自分の畑の素晴らしさを裏付けありで語ることのできない人間が、他者の畑の文化を理解しようとしないどころか軽蔑の眼差しで捉え、エッジがある風な偏りのある言葉であれこれ言い、ふわっとした共感で信者を増やす。

傍から見ていて醜いなあと思う。

居酒屋へ帰れ。

 

 

UNISON SQUARE GARDENのツアーファイナルを取材しに行った。横アリ、城ホに続いてこのツアーを書くのは3度目。以前書いた記事が好評だったらしく、ありがたいことにご縁が続いている状況だ。

ロックバンドの全国ツアーについていって、その全てを記録するような仕事ができたら楽しいだろうなあと以前から考えている。今回観ることができたのは、30本を超えるツアーのうちのたった3本、バンドからしたら10分の1にも満たない量ではあるんだけど、それでもその日ごとの違いを発見できて楽しかった。ついていけたら面白そうだなあという気持ちがますます膨らむ。

斎藤さんの言う「ライブは一期一会」という言葉はまさにその通りで、私にとってのユニゾンは、ロックバンドは欲求に従う生き物なのだと教えてくれる存在だ。いや、「教えてくれる」は違うか。あなたたちを観ながら私は一方的にそのように感じています、程度にしておく。

今度は追加ツアーが始まるしね。マグロか何かみたいだ。

 

 

この2週間で新幹線に乗る機会が3往復分あった。新幹線乗るの大好き芸人だったはずだけど、さすがにここまで連続するとワクワク感が薄れてしまうものなのか。駅弁を決めるのにはもう3分もかからない。

ライブを観てライブレポート書いたり、人に話を訊いてインタビュー原稿書いたり、言ってしまえばそれだってルーティンのはずなのに、飽きが来ないのはどうしてなんだろうなあ。


ニゾンの終演後、メモ帳を読み返してみた時、「間奏!からのギターソロ!うわあ!」みたいな興奮しきった言葉しか並んでいなかった。これは別に今回だけに限らず、私は基本的にいつもそんな感じだ。純粋にワクワクしながらライブを観ている自分と、過去の自分が残した興奮の断片を拾って解釈して原稿に起こす自分。両方居るから書けている。だからその両方を脳内で同時召喚しなければならないクイックレポート案件は、かなりエネルギーを消費するし、いつまで経ってもやるのが怖いんだけど。

AB型は二重人格だとよく言うけど、それってこういうこと? どちらか一方が死んでしまったら、書けなくなるのだろうか。

 

 

明日はNICO Touches the Wallのライブを観に行く。

学生時代にニコのライブを観たことがライターという仕事を選ぶきっかけとなった――という話はこのブログでも何回か書いているけど、そのライブが、2012年3月の幕張メッセイベントホール公演である。

つまり今回、同じ会場。幕張でニコを観てライターやろうと決めた人間が、幕張でニコを書く仕事をするという因果。笑ってしまうね。

以前ある人から言われた「お前のその性格なら、大抵の夢は叶うよ」という言葉を頻繁に思い出した1週間だった。

米津玄師の2018年に間に合えた件然り、自分にとって重要な存在であるバンド=ユニゾンに取材する機会を立て続けにいただけている件然り、26歳にして、人生の伏線回収に差し掛かっているような感覚がある。それを踏まえると、いわゆる「27クラブ」も何だか腑に落ちるというか。ここで幕を下ろしたら物語としては綺麗かもしれないなあと。

自死衝動がないと言えば嘘になるし、そこに対する憧れもほんの少しだけある。だけど実際、私はそこまで清い存在でもないから、この先も生きるという選択をする。そのために、新しい夢や野望を常に生み出し続け、そこへ向かっていく必要がある。

 

 

元来怠け者体質だから、言葉にすることによって退路を断ち、自分にプレッシャーをかけたがる傾向にある。これを書いている段階ではユニゾンとニコの原稿は世に出ていないし、まだ何も成し遂げちゃいない。ひとまず、良い記事にします。