左の草鞋を履き替えた

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めちゃくちゃ私事ですが、というかブログなんて「私事」を書いていい場所でしょと思いながら書き始めますが、新卒より5年間正社員として勤めていた会社を、3月31日付で退職いたしました。

 

大学3・4年のときは学校生活と両立しながらライターとして活動していました。そして大学を卒業して以降は、複業という形で、一般企業に勤めながらライターとして活動していました。その会社を、先日退職したのです。

 

状況が状況なので、何もこのタイミングでなくても、とは自分でも思います。ですが、まさか未知のウイルスが蔓延するなんて予知できないし、この時期に退職することは事前に決めていたし、そのために準備もしていたので……。遅らせられないことだってあるわけです。

 

期せずして荒波のなかで船を出すことになった人、私だけではなくたくさんいると思います。つらいとは思いますが、そして「自分で決めたこと」ゆえにみんながしんどいこの時期になかなかつらいとは言い出せないかもしれませんが、頑張りましょう。踏ん張りましょう。

 

この件に関しては、普段お世話になっている方々(といっても、各種媒体の編集者だけですが)には既にお伝え済みですが、 会社を辞めることって人生のなかでそう何回もあることではないし、せっかくだから、この状態に至るまでに考えたことをまとめておこうと思います。

 

 

 

そもそもなぜ就職したのか

 主に2点あります。

 

(1)安定した収入がほしかったから

一番大きいのはこれです。奨学金を返済しなければならなかったし、シンプルに、これだけでは食っていけないと判断しました。また、家族が入院していた時期もあったりして「いざというときにポンと出せる大金があること」の重要性を感じていたので、とにかく金銭的な不自由さを感じない環境に自分の身を置いておきたかったです。

 

ただ、実は新卒2年目辺りから「この調子ならライター一本で生きていけるかもしれないなあ」とは感じていて、5年間、辞めなかった理由は別のところにあります。

 

(2)社会人経験を積みたかったから

先述のように私は、学生時代から文章を書くことを仕事にしていました。そのなかで、自分が世間知らずであることを明確に自覚した機会が数えられないほどありました。例えばそのうちのひとつを紹介すると……

 

とある企業で2、3ヶ月ほどアルバイトをしていたときのことです。その日は12時から外出の予定が入っていました。外出先へ向かうためには約1時間前、11時に会社を出発する必要があります。また、定時は10~19時です。という状況下で私は「出社してから外出するまで1時間しか働くことができない」「1時間でできることなんてそんなに多くないな」と考え、社員の方に「直行していいですか?」と訊きました。すると、ひどく叱られました。

 

今考えればそれは当然で。要は、10~11時の間にだって賃金は発生しているんだから、いや、ちゃんと来て働けよ、という話なのですが、当時の私にはどうしてもその理屈が、社員の方に叱られた理由が分からなかった。「1時間ぐらいよくない?」と平然と思ってしまっていた。

 

……というように「よく理解できないけど怒られる」という経験を重ねたことにより、もしかして自分は「社会で働くうえでの常識的な考え方」を全く知らないのではないか、という自覚が芽生えたので、そしてそれを身につけるためには組織に入るのが一番手っ取り早いのではと思ったので、就職することに決めました。

 

「入社したらとりあえず3年は働け」ってよく言うじゃないですか。あれ元々信じてなかったんですけど、自分が3年で辞めなかった理由は、4年目以降(社会人としての基礎がある程度固まってから)に任せられがちな、「後輩を育てる」「集団をまとめる」という役割をちゃんと経験しておきたかったからでした。詳しく語るのはやめておきますが、過去の経験から、私には「年下怖いコンプレックス」「リーダーやるの怖いコンプレックス」がありました。それとちゃんと向き合って、克服しておきたかったのです。

 

まあコンプレックスの話はなしにしても、3年で辞めなくてよかったなあと改めて思います。3年で辞めていたら、多分、組織がどう動くのかとか、上に立つ人たちがどういうことを考えるのかとか、そういうところにまで目を向けられずに終わっていたと思うので。

 

で、就職した理由はこの2点で、逆に言うと、そこに対して「もう十分だな」と思えたタイミングが今だったので退職に踏み切ったという感じです。

 

プラス、2018年から2019年の間に、ライターとしての自分の軸(何にプライドを持って仕事をしているのか)が分かってきたこと、かつ、それを周囲の人に分かってもらえていると感じられたことも、大きな決め手になりました。

 

あと、めちゃくちゃ正直に言うと、「原稿を書くために睡眠時間を削る」生活を続けることに対して、体力的な限界を感じました。20代前半の頃は短い睡眠時間でもシャキシャキ動けたけど、今は「寝たい!!!!」って全身が叫び出してしまう。眠れないことがストレスに直結して、結果、どうしてこんな生活送っているんだろうって、どんどん自分のことが嫌いになっていっちゃったんですよ。そんな生活はちょっと健康的ではないし、この暮らしをずっと続けていくのはまず無理だろうと思うようになりました。

 

 

 なぜ兼業ライターであることを公表しなかったのか

 そんなことは読者には関係ないからです。

 

私は会社ではウェブディレクターとして働いていました。例えば「ウェブサイトが優れているロックバンド10選」みたいな、「ライター」のときの私が、「ウェブディレクター」という肩書きがあるからこその文章を書いていたとしたら、兼業を公表した方がいいかと思います。しかしそうではなかったので、公表はしないことに決めました。

 

この点に関しては、自分のなかで「公表したくない」という意思が明確にあってそうしていました(それを知ったうえで勝手に言いふらしてくる人もいるから、悲しくなったりもしたけど)。あ、一緒に仕事をする方にはさすがに伝えてますし、自分の中の美学がただそうだったという話で、兼業を公表している人をディスるつもりはありません。

 

 

退職後最初の1週間で感じたこと

 先月後半から有給消化期間に入っていたので、会社に行かない生活に入ってからおよそ3週間が経ちます(まあこのご時世なので、元弊社も在宅勤務に切り替えている可能性があり、どちらにせよ「通勤しない生活」にはなっていたかもしれませんが)。今までは主に深夜から早朝に原稿を書いていたので、「原稿を書くための集中力」を引っ張り出す時間帯をずらす必要があり、ゆるゆると、体内時計を調整しながら原稿を書いている日々です。そのうえで感じたのは、

 

・一番危惧していた「タイムスケジュール管理できるか問題」は思っていたより大丈夫そう

・睡眠時間が増えたことにより(会社員時代は1~4時間、今は6~7.5時間)、頭がちゃんと回るようになった

・肩こりがひどくなった。会社が用意してくれていたデスクと椅子は良いものだったのかもしれない

・読書が捗らない(これまでは通勤電車内で読んでいたため)

 

 

今後について

 現状はこんな感じですが、ここから一生フリーランス一本で行きます!というテンションではありません。複業OKな会社も増えているから「ここで働きたい」と思える会社を見つけたら普通に就職するし、ライターをやることに意味を見出せなくなったらきっとやめるだろうし、あと、ウェブ屋として開業する選択肢もあるといえばあります(今は別にそれをやりたいという気持ちはないが)。その他にも、人生規模でやってみたいと思っていることがあったりもして。

 

その辺りは柔軟でありたいし、そう考えられるようになったのは、社会人6年目だからこそなのかもしれないです。だって、大学生のときなんて「就職できなければ一環の終わり」って本気で思っていたから。ビクビクしながら半泣きで就活していたから。そんなことないぞと思えているのは、この5年間のおかげです。

 

そしてここまで散々「兼業ライターであることを公表したくなかった」と言っていたくせに、どうして今公表したのかというと、「あれ? このタブーさえ解禁してしまえば、書けることかなり増えるよね?」と気づいたからです。

 

先ほど例として出したような「ウェブサイトが優れているロックバンド10選」みたいな記事はさすがに書かないですけど笑、兼業ライターとしての5年間――いや、学生時代から数えると7年間にわたる二足の草鞋生活をエッセイにできるのでは、と企んでいます。まだ1文字も書いてないから、本当に書けるか分からないけど。note作ろうかな。それとも、どこか寄稿させてもらえるような媒体を探そうかな。ちょっと考えます。

 

そんな感じで、荒波ですが、必死に船を漕いでいく所存です。関係者の方々、そして読者の方々、引き続きよろしくお願いいたします。

 

それではまた。