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蜂須賀ちなみの日記帳

2016.3.8 flumpool×UNISON SQUARE GARDEN@新木場STUDIO COAST のざっくりとした感想

音楽と人」の主催イベント「新木場クロッシング」にお邪魔してきました。flumpoolUNISON SQUARE GARDENのツーマン。

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この2組はデビュー年が同じというだけではなく、もうひとつ重要な共通項があって。それは、手段や道のりは違えど「自分たちがどんなバンドなのか」という部分に向き合って闘ってきたバンドだということ。あと、MCを聞いた印象だと、お互いがお互いに対して「自分たちにないものを持ってる」と思ってるんじゃないかな。でも今のフランプールとユニゾンは、自分が持っていないものをもちゃんと見極めることができてるから良いのであって。誰に媚びを売るでもなく、2組とも自分たちが守り続けてきた「らしさ」をただただ放出するのみ、みたいな潔いツーマンでした。

(ユニゾンのことはこの前散々書いたから、以下、フランプールの方にちょい重きを置いてます)

まず、ユニゾン。最近はホールでライヴを観る機会に恵まれていたので、そういえばライヴハウスで観るのは久しぶり。ホールだとやっぱり音の響きの要素が際立つから、こういう、トゲトゲした音のユニゾンを生で聴くの久々だなあと、初っ端の一音から新鮮な気分でした(もちろんホールもライヴハウスもそれぞれに良いところがある)。で、そういう「ハコ!」って感じの音だからこそ、初期の反抗期じみた曲がよく似合うということもあり、プラス単純にこの曲が好きだということもあり、「マスターボリューム」が聴けたのは嬉しかったなあ。

齋藤さんの歌、ここ最近ぐんぐん良くなっていってる気がするのですが。バラードだろうとアッパーチューンだろうと、深く長く呼吸しているように唄っているというか、緩やかに弧を描いているようなイメージ。歌心。

そしてフランプール。音人でのメンバーのインタビューを読んでいると、その中でやっぱり「他の人が作った曲でデビューしたことへのコンプレックス」を語る場面がわりとあって。それを踏まえてあえてセトリに「花になれ」を入れてきたのかな、と深読みしているのですが……どうなんだろう? 私はフランプールのライヴに行き始めてから日が浅く(1回だけ大昔に行ったことはあるけど)、この曲をライヴで聴いたのは初めてだったから他の日との比較ができないけど、この「花になれ」がめちゃ良かった。ストリングのあのイントロはやっぱり象徴的だからライヴでもああなんだけど、それ以外の部分、アレンジが音源と全然違うんですね。激しい曲ではないから各々のプレイも決して派手ではないんだけど、堅実な演奏の中に「自分たちの曲にしていくんだ」みたいな熱さがしっかり落とし込まれてるなあ、と。ちゃんと向き合ってるじゃないか、と。

最近彼らのライヴに行くたびに、「もっとこういう部分も見てみたい」という欲が湧いてくるんだけど、今回も例に漏れずそうでした。まずは単純に「EGG」収録曲はこれから先もっともっと化けていくだろう、こんなもんじゃないだろう、と。一足お先に聴かせていただいてるのですが、このアルバム超良くて、だからこそ、例えばリリース後に控えているツアー等を経て、曲それぞれがもっともっと深い表情を見せてくれるようになるんじゃないかな、と感じる。「解放区」とかもう、浴びるように聴きたいし。

で、もうひとつの欲は、ライヴの流れの話。バンドがステージ上で素を見せられるようになったからこそ、あの終わり方はちょっと整いすぎてたというか、逆に不自然に感じたかも(「イイじゃない?」のタオル回しで盛り上がり→「明日への賛歌」で大団円)。

いろいろ書いたけど、とはいえ、観てる最中にこういう欲が湧いてくるということは、このバンドに興味津々だということなのです。総じて良いライヴでした。